ネットの誹謗中傷は何罪?名誉毀損・侮辱など罪名と対処法をわかりやすく解説

公開日:2025/12/10
ネットの誹謗中傷は何罪?名誉毀損・侮辱など罪名と対処法をわかりやすく解説

SNSやネット上での誹謗中傷は、名誉毀損罪や侮辱罪など複数の罪名に該当する可能性があります。

しかし「どこから罪になるのか」「どう対処すればよいのか」分からず、泣き寝入りしてしまう被害者も少なくありません。

本記事では、ネット上の誹謗中傷で問われる罪名の違いや、罪になる基準について解説します。

また、実際に罪名がついた事例や被害を受けたときの対処法、訴えるのが難しいといわれる理由まで紹介します。

適切な知識と対処法を身につけることで、ネット上の誹謗中傷による被害を最小限に抑え、必要に応じて法的措置を取れるでしょう。

ネット上での誹謗中傷で問われる罪名は?どこから罪になる?

ネット上での誹謗中傷で問われる罪名は?どこから罪になる?ネット上の誹謗中傷は、名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪、業務妨害罪、信用毀損罪といった罪が適用される可能性があります。

どの投稿がどの罪に当たるのか、5つの代表的な罪名から見ていきましょう。

名誉毀損罪(刑法230条)

名誉毀損罪は、不特定多数が閲覧できる場で具体的な内容を挙げ、他人の評価を落とせば成立します。 

刑法第230条に基づく法定刑は、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。

名誉毀損罪が成立するには以下の3要件を満たす必要があります。
  • 公然性:SNSや掲示板など不特定多数が見られる状態であること
  • 事実摘示性:「○○は前科持ちだ」など具体的な事実を挙げていること(真実か虚偽かは問わない)
  • 名誉の毀損:対象者の社会的評価を低下させること
誹謗中傷がどこから罪になるのかは、具体的な事実の存在で判断されます。

侮辱罪(刑法231条)

侮辱罪は、事実を摘示せずとも「バカ」「ブス」などの言葉で公然と他人を侮辱する言動が対象です。

「公然と」の基準は、不特定多数が見られるSNS投稿だけでなく、少人数の場でも他者に伝わる可能性があれば成立します。
令和4年(2022年)7月の改正により法定刑が引き上げられ、拘留・科料に加え懲役・禁錮や30万円以下の罰金でも処罰可能になりました。また、時効も1年から3年へ延長されています。
名誉毀損罪との判別基準は、事実を述べたか否かという点です。

たとえば「○○は会社の金を横領した」は事実を挙げているため名誉毀損罪が検討されますが、「○○は本当にキモい」のように検証できないものは侮辱罪の対象となります。

脅迫罪(刑法222条)

脅迫罪は、SNSのリプライやDMなどで「殺すぞ」といった言葉を使い、相手本人やその親族の生命・身体・財産・名誉に危害を加えると告知した場合に成立します。

刑法第222条に基づき、法定刑は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」です。
脅迫罪が成立する基準として、告知内容が客観的に相手を恐怖させるに足りるかが判断されます。たとえば「お前の秘密をネットでばらまくぞ」と告げる行為も、名誉への害悪の告知として脅迫罪の対象となり得ます。
重要なのは、相手が実際に恐怖を感じたかどうかではありません。

冗談のつもりでも、恐怖を感じる内容だと客観的に判断されれば、脅迫罪が適用されるケースもあります。

偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪(刑法233条・234条)

ネット上の誹謗中傷が企業や店舗の業務を妨害するレベルに達した場合、偽計業務妨害罪や威力業務妨害罪が適用される可能性があります。

刑法第233条と234条に基づき、法定刑はどちらも「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
偽計業務妨害罪は、嘘の情報で人をだまして業務を妨害する罪です。たとえばSNSで「○○という店は食中毒を出した」といったデマを流し、店の営業を妨害する行為が事例として挙げられます。
一方、威力業務妨害罪は脅迫などで業務を妨害する罪で、企業に「爆破予告」を送りつける行為が該当します。

個人への悪口にとどまらず、企業や店舗への誹謗中傷は業務妨害罪に問われる可能性があるでしょう。

信用毀損罪(刑法第233条)

信用毀損罪は、虚偽の情報を流して人や企業の経済的な信用を傷つけた場合に成立します。

「信用」とは、支払い能力や商品の品質への評価など、経済活動に関わる信頼を指します。

刑法第233条に基づき、法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

名誉毀損罪は内容が真実でも成立し得ますが、信用毀損罪の成立には「虚偽の情報」であることが条件となります。

SNSで「○○社の製品には異物が混入している」「○○店は産地を偽装している」といったデマの投稿が事例です。

企業への誹謗中傷は経済的損害を与える恐れがあり、法的責任を負う場合があります。

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誹謗中傷に該当する言葉一覧

誹謗中傷に該当する言葉一覧誹謗中傷に該当する言葉一覧を、以下の表で説明します。
分類具体的な言葉の例該当する可能性のある罪名説明
外見に関する侮辱「ブス」「チビ」侮辱罪具体的な事実を挙げず、相手の人格を蔑視する表現
知能・能力に関する侮辱「バカ」「無能」侮辱罪外見と同様、具体性を欠いた抽象的な侮辱
名誉を毀損する発言あの会社はハラスメントが横行している名誉毀損罪具体的な事実を挙げて、相手の社会的な評価を下げる行為
虚偽の情報による中傷あの会社は詐欺行為をしている信用毀損罪嘘の情報を流して、相手の経済的な信用を傷つける行為
抽象的な悪口「クズ」「ゴミ」侮辱罪具体的な事実はないが、相手の人格を著しく蔑視する表現
誹謗中傷は、発言や投稿の内容によって問われる罪が変わります。具体的な内容は名誉毀損罪、抽象的な悪口は侮辱罪に該当します。

ネット上での誹謗中傷が罪にならないケース

ネット上での誹謗中傷が罪にならないケースネット上の誹謗中傷がすべて罪になるわけではなく、公共性・公益性・真実性を満たす場合、有限公開や1対1のやり取り、単なる意見・批判、同定可能性がない投稿、商品や作品への批評は罪にならない可能性があります。

具体的にどのようなケースが該当するのか、5つのパターンから見ていきましょう。

公共性・公益性・真実性を満たす場合

ネット上の誹謗中傷でも、例外的に罪にならないケースがあります。投稿内容が「公共性」「公益性」「真実性」の3要件をすべて満たす場合です。

刑法第230条の2に基づき、主に正当な告発や報道の自由を保障するための規定として設けられています。

誹謗中傷が罪にならない基準は、以下の3点です。
  • 公共性:政治家の汚職疑惑など、社会全体の利害に関わる内容であること
  • 公益性:個人的な恨みからではなく、社会の利益を図る目的であること
  • 真実性:内容が真実、または真実と信じるに足る相当な理由があること
安易な正義感での投稿が結果的に名誉毀損と判断されるリスクもあるため、慎重な判断が求められます。

有限公開・1対1のやり取りの場合

DMやLINEでの個人間のやり取りなど、限られた相手との閉じた空間での誹謗中傷は、名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性は低いでしょう。

名誉毀損罪や侮辱罪が成立するには「公然性」(不特定多数が認識できる状態)が必要ですが、1対1の通信では要件を満たさないためです。
しかし、内容が外部に漏れる可能性が高いと判断されれば公然性が認められ、罪として成立する場合があります。
また「殺すぞ」といった言葉を使った場合、公然性がなくても脅迫罪が成立する可能性があります。

1対1のやり取りであっても、内容によっては罪に問われる恐れがあるでしょう。

単なる意見・批判の範囲で事実摘示がない場合

「○○店の料理はまずい」「Aはバカだ」といった個人の感想や主観的な評価は、名誉毀損罪として扱われません。
毀損罪が成立するには「事実の摘示」(真実か虚偽か証明できる具体的な事柄を挙げること)が必要ですが、個人の感想はこれに該当しません。
しかし、相手を侮辱する言葉を使えば侮辱罪に問われる可能性があるでしょう。

誹謗中傷がどこから罪になるのか、事実摘示の有無が重要な線引きとなりますが、単なる批判のつもりが侮辱罪と判断されるリスクもあります。

投稿内容に「同定可能性」がない場合

ネット上の誹謗中傷が誰のことを指しているのか第三者に特定できない場合、名誉毀損罪や侮辱罪に問われる可能性は低くなるでしょう。

名誉毀損罪や侮辱罪が成立するには、悪口の対象が誰なのか客観的に分かる「同定可能性」が求められるためです。
たとえばありふれたハンドルネームやイニシャルだけを名指ししても、個人を特定できなければ社会的評価を下げたとは認められません。
ただしプロフィール情報、過去の投稿、写真、位置情報などを組み合わせて個人が特定できる場合は、刑事事件として立件されるケースもあります。 

対象者を特定できるか(特定可能性)も、誹謗中傷が罪になるかを判断する基準の一つです。

商品や作品などに対する批評の場合

商品や作品自体に対する主観的な感想や批評は、原則として誹謗中傷にあたりません。

名誉毀損罪や侮辱罪が保護されるのは「人」の社会的評価であり、ラーメンや小説といった「物」自体は法律の対象外となるためです。

たとえば「○○店のラーメンはまずい」「○○という小説はつまらない」といった個人の感想は、誹謗中傷が罪にならないケースに該当します。
ただし、「○○店は客の食べ残しを使っている」などと虚偽の情報を流して店の信用を傷つけた場合、信用毀損罪や業務妨害罪といった別の罪名に問われる可能性があります。
商品への批評であっても、内容次第では罪に問われる可能性があるでしょう。

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誹謗中傷を受けたときの対処法

誹謗中傷を受けたときの対処法誹謗中傷を受けたときは、証拠保存、削除依頼・通報、警察への被害届・刑事告訴、弁護士相談、専門業者への風評被害対策依頼という対処法があります。

適切な手順を踏めば、被害を最小限に抑えられます。

具体的な5つの対処法を順番に見ていきましょう。

投稿の証拠を保存する

ネットで誹謗中傷を受けたら、まず投稿の証拠を保存してください。

問題の投稿が削除されると、投稿者の特定に必要なサイト内のログやIP情報まで消えてしまう可能性があるからです。

証拠がなければ、誹謗中傷で訴えることが難しくなります。

証拠保全の具体的な方法は、スクリーンショットの撮影です。以下の情報を記録してください。
  • 誹謗中傷の投稿内容
  • 投稿があったページのURL(アドレスバー)
  • 投稿された日時
  • 投稿者のアカウント名やID
保存した証拠は、名誉毀損罪や侮辱罪など、どの罪名で訴えられるかを判断し、法的手続きを進めるための判断材料となります。

SNS運営者やサイト管理者への削除依頼・通報をする

証拠を保存したら、X(旧Twitter)や各種掲示板に設置された通報フォームを使い、投稿の削除を要請しましょう。

誹謗中傷で訴えるのは難しいと感じる場合でも、削除依頼は解決手段として有効です。ただし運営の判断によっては削除されないケースもあります。 

削除依頼の際は、以下の点を具体的に示すと運営側も判断しやすくなります。
  • どの投稿が利用規約違反にあたるか
  • 名誉毀損罪や侮辱罪など、該当する可能性のある罪名
  • 名誉毀損やプライバシー侵害といった権利侵害の具体的内容
誹謗中傷がどこから罪になるのか判断が難しい場合でも、まずは運営への通報から始めることで、被害の拡大を防げる可能性があります。

警察への被害届提出・刑事告訴を検討する

投稿内容が脅迫など犯罪に該当する場合や、身の危険を感じる場合は警察に相談しましょう。

どこに相談すればよいか迷ったら、まず警察相談専用電話「#9110」に連絡してください。
警察に被害届を提出し、受理されれば捜査に発展する可能性があります。ただし名誉毀損罪や侮辱罪は「親告罪」です。親告罪とは、被害者が告訴しなければ犯人を罪に問えない犯罪を指します。
告訴期限は犯人を知った日から6か月以内です。誹謗中傷で訴えるには、この期間内に手続きを進める必要があります。

警察に相談に行く際は、保存したスクリーンショットなどの証拠を持参してください。誹謗中傷がどの罪に該当するか判断する材料にもなります。

過度に悪質な場合は弁護士に相談する

削除依頼だけでは解決しない悪質な誹謗中傷は、弁護士への相談が有効な手段です。

弁護士名義で法的根拠を示した「送信防止措置依頼書」を送付してもらえば、サイト運営者も事態を重く受け止め、投稿削除の対応が円滑に進むでしょう。
また、投稿者を特定する「発信者情報開示請求」や慰謝料を求める損害賠償請求といった法的手続きは、個人では難しく専門家への依頼をおすすめします。
弁護士は誹謗中傷で訴えられる基準を満たしているか、名誉毀損罪や侮辱罪など該当する罪名は何かを判断できます。

費用面などで「訴えるのは難しい」と感じるかもしれませんが、まずは専門家の見解を聞くことが解決への近道です。

専門業者に風評被害対策を依頼する

検索候補(サジェスト)に悪評が表示されるなど、誹謗中傷の被害が広範囲に及んでいる場合は、専門の風評被害対策業者への依頼も有効な方法です。

法的に誹謗中傷で訴えるのが難しい事例や、投稿者を特定できない場合でも、被害の拡大を防げます。
風評被害対策業者は「逆SEO」を活用し、肯定的な情報を発信して問題の検索結果の表示順位を下げたり、ネット上を常時監視して新たな火種を検知したりします。
法的措置では対応できない範囲もカバーできるため、企業のブランドイメージや個人の評判を守ることが可能です。

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ネット上での誹謗中傷で罪名がついた事例

ネット上の誹謗中傷では、名誉毀損による自殺事例、匿名投稿での侮辱罪立件、殺害予告による脅迫罪での逮捕、デマ投稿による業務妨害での店舗閉店といった実際に罪名がついた事例が発生しています。

誹謗中傷の深刻さと法的責任を理解するため、4つの代表的な事例を見ていきましょう。

SNSでの名誉毀損が自殺に発展した事例

ネット上の誹謗中傷が被害者の命を奪い、加害者が逮捕された誹謗中傷の事例があります。

2017年、SNS上で「さまざまな女性ユーザーに迷惑行為を行い、逃げ惑っている」などと投稿し、高校生の男子生徒(当時18歳)の名誉を毀損したとして、19歳の少年が名誉毀損容疑で逮捕されました。

被害者の生徒は中傷に加え、なりすましによる虚偽の書き込みにも悩んだ末に自殺していたと報じられています。

SNSでの誹謗中傷は、人の命を奪う取り返しのつかない結果を招くことを認識する必要があります。

引用:https://www.sankei.com/article/20170201-EZB62SNNXNLLBCCAYTFDSOPIP4/

匿名の中傷が侮辱罪として立件された事例

恋愛リアリティー番組「テラスハウス」の出演者・木村花さんが亡くなった事件では、匿名で中傷を繰り返した男性が侮辱罪で書類送検されました。

男性はSNS上で「死ねや、くそが」「きもい」といった誹謗中傷の言葉を投稿していました。

テラスハウス事件は、事実を挙げない悪口でも侮辱罪になり、匿名でも特定されることを示した誹謗中傷の事例です。

また、別の加害者は科料9千円の略式命令を受けました。木村花さんの事件は社会に衝撃を与え、侮辱罪厳罰化(2022年改正)のきっかけとなりました。

引用:https://www.asahi.com/articles/ASP453HRXP45UTIL002.html

SNSでの殺害予告が脅迫罪として逮捕に至った事例

X JAPANのYOSHIKIさんに対し、SNSで殺害予告を繰り返した人物が脅迫罪の容疑で逮捕された誹謗中傷の事例があります。所属事務所は「執拗かつ非常に悪質なもの」と発表しました。

YOSHIKIさんへの誹謗中傷の事例は、侮辱罪とは異なり、相手の生命に危害を加える告知が「脅迫罪」という罪名で処罰されることを示しています。

「死ね」などの言葉は、文脈によっては単なる侮辱にとどまらず、具体的な害悪の告知と判断されて罪になります。

SNSでの誹謗中傷がどこから罪になるか、誹謗中傷で訴えられる基準を示す事例です。

引用:https://www.sankei.com/article/20231206-FCYA7JTEYBKWJBBNLD52POC2JY/

デマ投稿によって店舗閉店に至った業務妨害の事例

飲食店の衛生面に関するデマをSNSに投稿し、店を閉店に追い込んだとして男が威力業務妨害容疑で逮捕された誹謗中傷の事例があります。

男は「ナメクジがいる」などと投稿しました。保健所の立ち入り検査にまで発展し、デマ投稿が原因で店舗は閉店を余儀なくされました。

飲食店へのデマ投稿の事例は、個人への悪口だけでなく、店舗や企業への虚偽の投稿も「業務妨害」という罪名で罪になることを示しています。

安易な書き込みが一つのビジネスを破壊する犯罪になり得ます。

引用:https://www.yomiuri.co.jp/national/20240214-OYT1T50004/

ネット上の誹謗中傷を訴えるのが難しいといわれる理由

ネット上の誹謗中傷を訴えるのが難しい理由には、匿名投稿者の特定の困難さ、証拠保存の必要性、時間と費用の負担、表現の自由との兼ね合い、実害の証明の難しさといった複数の壁が存在します。

ネット上の誹謗中傷を訴えるのが難しいといわれる理由を理解するため、5つの理由を見ていきましょう。

匿名投稿者特定に関する高いハードル

ネット上の誹謗中傷で訴えるのが難しい理由は、匿名の投稿者を特定する法的手続きのハードルが高い点です。加害者に損害賠償を求めるには、まず相手が誰かを知る必要があります。
投稿者の特定には「発信者情報開示請求」と裁判手続きが必要です。プロバイダ責任制限法に基づき、SNS運営者からIPアドレスを開示させ、次にプロバイダに契約者情報の開示を求めます。
近年、法改正で手続きは簡略化されましたが、依然として弁護士費用と時間がかかるのが実情です。

投稿者の特定作業の複雑さが侮辱罪や名誉毀損罪など、どの罪名で訴える場合でも最初の壁となり、被害者が泣き寝入りしてしまう原因です。

削除前の投稿を保存しておかないと立証が困難に

誹謗中傷の投稿が削除されると、被害の立証が困難になります。この被害の立証が誹謗中傷で訴えるのが難しいといわれる理由です。

裁判では、被害者側が「事実無根であること」や「社会的評価の低下」を証拠で示す立証責任を負います。

加害者が証拠隠滅のために投稿を消すケースも多く、URLや投稿日時、投稿者のアカウント情報を含む客観的な証拠がなければ、立証が困難になります。
スクリーンショットや投稿のアーカイブがなければ、侮辱罪や名誉毀損罪など、どの罪名で訴えるかを判断することが困難になるでしょう。
被害を受けた時点で、すぐに証拠を保存しておく必要があります。

法的手続きに要する時間と費用の負担

ネット上の誹謗中傷で訴えるのが難しいといわれる理由の一つは、法的手続きにかかる時間と費用の負担です。

専門家である弁護士への依頼が必要な場合が多く、費用倒れとなるリスクがあります。
匿名の投稿者を特定するための「発信者情報開示請求」だけでも弁護士に依頼すると多額の費用がかかります。その後の損害賠償請求まで含めると、費用はさらに高額になるでしょう。
一方で、裁判で認められる慰謝料は侮辱罪では数万円、名誉毀損罪でも数十万円程度が相場です。

数ヶ月から1年以上の時間をかけても、得られる賠償額が弁護士費用を下回る可能性があります。

表現の自由と軽視されやすい違法性

ネット上の誹謗中傷で訴えるのが難しい理由のひとつに、憲法上の「表現の自由」とのバランスが問われることがあります。

日本国憲法第21条1項は表現の自由を保障しています。誹謗中傷がどこから違法になるのか、正当な批判との線引きは非常に難しい判断です。

脅迫などの明白な犯罪でない限り、警察は「民事不介入」の原則から個人間のトラブルとみなし、すぐには動いてくれないケースがあります。

また、被害者が相談しても「事件化は難しい」と判断される場合があり、結果として対応が進まないケースも少なくありません。

侮辱罪や名誉毀損罪として罪になる基準の判断が難しいことも、加害者側が誹謗中傷の違法性を軽視しやすい背景の一つと考えられます。

実害が明確でない場合の訴えの優先度の低さ

ネット上の誹謗中傷は、身体的・経済的な実害のない精神的苦痛の場合、客観的な証明が難しく、被害が軽微・単発的と捉えられると、警察や裁判所が対応を後回しにするケースがあります。

警察や裁判所は、脅迫による身の危険や業務妨害による経済的損失といった、客観的で緊急性の高い実害が出ている事件を優先します。
ネット上の誹謗中傷による精神的ダメージは、被害者にとっては深刻でも、損害を客観的に証明するのが困難です。
SNSで一度「バカ」と書かれただけでも侮辱罪の要件を満たす可能性がありますが、警察がすぐに動いてくれるとは限りません。

罪になる基準と、実際に捜査機関が動く基準とのギャップが被害者にとって訴える難しさにつながっています。

ネット上の誹謗中傷で訴えられる基準

ネット上の誹謗中傷で訴えられる基準を、以下の表で説明します。
要件説明具体例
公然性誹謗中傷が「公然」と行われるSNSや掲示板に投稿された場合
名誉棄損性誹謗中傷の内容が、対象者の社会的評価を低下させるもの他人の名誉を傷つけるような事実を摘示
事実摘示性誹謗中傷の内容が具体的な事実を示している「○○が不倫している」といった具体的な内容
ネット上の誹謗中傷が法的に問題となるためには、上記の基準を満たす必要があります。具体的な内容や状況に応じて、法的措置が取られるかどうかが判断されます。

誹謗中傷を受けた場合は早めに専門家に相談することが重要です。

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「誹謗 中傷 罪名」に関するよくある質問

「誹謗 中傷 罪名」に関するよくある質問を、以下で紹介します。
  • Q根も葉もない噂は名誉毀損に当たりますか?
    A根も葉もない噂でも、具体的な事実を挙げて他人の社会的評価を下げれば名誉毀損罪(刑法230条)に該当します。

    内容の真偽は問われません。名誉毀損罪として罪になるかは、具体的な事実を挙げているかで判断されます。

  • Q誹謗中傷で警察は動きますか?
    A脅迫罪に当たる殺害予告など犯罪性が高く緊急性があれば警察は動きます。しかし、侮辱罪や名誉毀損罪は証拠不十分だと民事不介入を理由に、すぐには動いてくれないケースもあります。

    誹謗中傷で訴えるのが難しいと感じたら、警察相談専用電話「#9110」に相談してみましょう。

  • Q悪い噂を流されると名誉毀損罪になりますか?
    A悪い噂の内容が具体的な事実を伴い、他人の社会的評価を下げれば名誉毀損罪(刑法230条)が成立する可能性があります。

    真実か嘘かに関わらず、誹謗中傷で訴えられる基準は具体的な事実があるかという点です。事実を伴わない抽象的な悪口は侮辱罪が適用されます。

  • QSNSでの誹謗中傷の定義を教えてください。
    ASNSでの誹謗中傷は法律上の正式な罪名ではなく、根拠のない悪口全般を指す言葉です。内容によって名誉毀損罪や侮辱罪などのSNS誹謗中傷の罪名が適用されます。

    具体的な事実を挙げたかが誹謗中傷で訴えられる基準となり、どの罪に当たるかを分ける判断材料です。

誹謗中傷で問われる罪名まとめ

本記事では、ネット上の誹謗中傷で問われる罪名や罪になる基準、具体的な対処法まで解説しました。

誹謗中傷で問われる主な罪名は以下の通りです。
  • 名誉毀損罪(刑法230条)
  • 侮辱罪(刑法231条)
  • 脅迫罪(刑法222条)
  • 偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪(刑法233条・234条)
  • 信用毀損罪(刑法233条)
ネット上の誹謗中傷は、発言内容によって該当する罪名が変わります。被害を受けた場合は証拠を保存し、適切な対処法を選択することが重要です。

正しい知識と早期の対応で、ネット上の誹謗中傷による被害を最小限に抑えられるでしょう。

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