ネット社会では一つの口コミやSNS投稿が企業の評判を大きく左右します。
こうしたレピュテーションリスクに備えるために重要なのが、ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)です。
攻めと守りの両面から評判を管理し、口コミやSNSでの炎上対策を行うことで、企業は信頼性を維持しブランド力を高められます。
本記事では、ORMの基本概念から事例、攻めと守りの手法、活用が求められる業界まで、実務に役立つ具体策を解説します。
CONTENTS
- 1 ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)とは?
- 2 ORMでレピュテーションリスクを回避する理由
- 3 特にORMが求められるプラットフォーム
- 4 ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)には「攻め」と「守り」がある
- 5 攻めのORM(オンラインレピュテーションマネジメント)
- 6 守りのORM(オンラインレピュテーションマネジメント)
- 7 ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)の成功と失敗事例
- 8 ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)が必要な業界
- 9 ORMを自社でおこなうメリットデメリット
- 10 ORMを外注するメリットデメリット
- 11 まとめ:ORMによる攻めと守りで企業をブランディングしよう
ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)とは?
ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)とは、インターネット上での評判を管理・改善する取り組みのことです。
企業にとって信頼性やブランド価値を守るうえで欠かせない施策です。
したがって、ポジティブな情報を強化しつつ、ネガティブな要素には迅速に対応する管理体制が求められます。
ORMは単なる評判管理にとどまらず、企業の信頼性を継続的に築くための「攻め」と「守り」を両立する戦略的な活動だといえます。
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ORMでレピュテーションリスクを回避する理由
企業の評判は一度の炎上や悪評で大きく揺らぎます。SNSや口コミの拡散力を考えると、レピュテーションリスク対策としてORMは不可欠です。
SNS炎上が経営に致命的ダメージを与える
SNS炎上は企業にとって深刻な経営リスクとなります。一度拡散された悪評やデマは瞬時に広がり、顧客や取引先の信頼を損ないます。
炎上を未然に防ぐためには、従業員への教育や情報発信のルール整備、社内での監視体制の構築が欠かせません。
さらに、万が一炎上が起きた場合に迅速に対応できるマニュアルや広報体制を整えておくことが、ブランドへの打撃を最小限に抑える鍵となります。
SNSの拡散力を踏まえたORMは、炎上リスクを管理し、企業の信頼を守るための必須の取り組みといえます。
口コミの影響力の高さは無視できない
口コミは企業にとって無視できない影響力を持っています。調査によれば「直近1年でインターネット上の口コミを参考に商品を購入した経験がある」と回答した人は86.1%にのぼります
このデータは、口コミが消費者の購買行動に直結する重要な要素であることを示しています。
評判を常に監視し、問題が大きくなる前に迅速な対応を行うことで、企業のブランド価値を守り続けられます。
悪評が放置されるとネット風評被害になる
悪評を放置すると、ネット風評被害へと発展します。否定的な情報が検索結果やSNS上に残り続け、消費者や取引先が繰り返し目にします。
さらに、公式の見解を発信するなど適切な対応を重ねれば、透明性の高い企業姿勢を示すことにもつながります。
悪評を放置するのではなく、ORMによって積極的に管理・改善することが、風評被害から企業を守る最善の手段といえるでしょう。
特にORMが求められるプラットフォーム
評判が拡散しやすいSNSや口コミサイトは、企業にとってレピュテーションリスクの温床です。
ORMでは重点的な対策が必要な場といえます。
SNS
SNSは情報拡散力が極めて高く、企業の評判に直結するリスクを抱えています。特にX(旧Twitter)は炎上件数が突出して多く、2022年は全体の74.4%にあたる125件、2023年も47.3%で最多となっています。
この背景には、匿名での投稿のしやすさやトレンド機能、リポストによる急速な拡散があり、一度炎上すると一気に信頼低下へつながる危険性があります。
そのため、ORMでSNSを重点的に監視・対策することが重要です。
口コミサイト
口コミサイトは、企業や店舗の集客や売上に大きな影響を与えるため、ORMの対象です。また美容サロンで悪評が増えれば、ホットペッパービューティー経由の予約が激減する可能性も否めません。
こうした事態を避けるには、ORMによって口コミを定期的にチェックし、真摯な返信や改善策を示すことが必要です。
さらに、満足度の高い顧客に自然な形で口コミを促すことも有効です。
口コミサイトは集客の要であり、放置すれば経営リスクに直結するため、戦略的な評判管理が欠かせません。
ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)には「攻め」と「守り」がある
ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)には、企業の評判を高める「攻め」と、失った信頼を回復する「守り」の2種類があります。| 攻めのORM | 守りのORM | |
|---|---|---|
| 目的 | オンライン評判の維持・向上 | 信頼回復・風評被害の抑制 |
| 具体的手法 | ネット広告(リスティング・ディスプレイ・ネイティブ)、SNSでの情報発信、SEO・MEO対策、ポジティブな口コミ獲得 | 逆SEO対策、サジェスト汚染対策、ネガティブ投稿の削除依頼、危機発生時の公式情報発信 |
短期的にはネット広告で即効性を出し、長期的にはSEOやMEOで持続的に上位表示を維持することが有効です。
一方、守りのORMは、不祥事や炎上で失われた信頼を回復するための戦略です。
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攻めのORM(オンラインレピュテーションマネジメント)
攻めのORMは、企業のオンライン評判を積極的に強化する戦略です。広告や口コミ、SNS、メディア活用で認知度を高め、ブランド価値を向上させます。
オンライン広告で認知度とブランド力の向上
オンライン広告は、企業のポジティブな情報を意図的に露出させ、短期間で認知度とブランド力を高める手段として有効です。リスティング広告では、検索キーワードに基づきニーズが明確なユーザーに訴求でき、ディスプレイ広告は幅広い層へのアプローチが可能です。
戦略的に運用すれば、オンライン上での評判を強化する攻めのORMとして効果を発揮するでしょう。
ポジティブな口コミを増やす戦略
ポジティブな口コミやレビューを増やすことは、オンライン上の評判を高め、売上やブランド力向上につながる重要な施策です。ただし、架空の口コミや金銭による誘導は違法になるため、自然で健全な方法が求められます。
SNS上での口コミは拡散力が高く、ユーザーが自発的にお店の情報をシェアすることで、新規顧客獲得にも直結します。
こうした取り組みを継続することで、攻めのORMとしてオンライン評判を健全に維持管理できるでしょう。
SNS公式アカウントの活用
SNS公式アカウントの活用は、攻めのORMにおいて有効です。まず、新商品やサービスの情報を直接発信することで、ブランド認知度を無料で高められます。
また、デマや噂が広まった場合には、公式情報で正確な内容を示すことで誤解を解消し、オンライン上の評判を守る役割も果たします。
キャンペーンやコンテンツの投稿を工夫することで、フォロワーの関心を維持しつつ、積極的にポジティブな情報を拡散できます。
このように、SNS公式アカウントは、ブランド価値向上とユーザー信頼獲得の両方を実現する重要なツールです。
ブログやオウンドメディアで情報発信
ブログやオウンドメディアは、SNSに依存せずに自社の情報を発信できる場です。まず、企業の公式サイトやブログを通じて、商品・サービスの詳細情報や最新ニュースを定期的に公開することで、ユーザーに正確な情報を届けられます。
また、SEO対策を施すことで、検索エンジンからの集客や新規顧客の獲得にもつなげられます。
このように、ブログやオウンドメディアは、攻めのORMにおいて自社のメッセージを発信し、ブランド価値を安定的に向上させる有効な手段です。
守りのORM(オンラインレピュテーションマネジメント)
守りのORMは、ネガティブ情報や炎上などのリスクから企業の評判を守る手法です。迅速な対応や削除、検索結果の管理で信頼回復とブランド価値維持を図ります。
ネガティブな口コミへの対応
ネガティブな口コミは放置すると企業の評判を大きく損ねる可能性があります。守りのORMでは、冷静な事実確認のうえ、感謝と謝罪を明確に伝えることが基本です。
また、対応状況をSNSや自社サイトで公開することで透明性を確保し、顧客の安心感を高められます。
こうしてネガティブな声をサービス改善に活かすと、評判管理とブランド価値の維持に直結させられす。
SNS炎上時の対応マニュアル作成
SNS炎上は瞬時に情報が拡散するため、対応の遅れは企業の信用やブランド価値に致命的な影響を与えます。守りのORMでは、事前に炎上時の対応マニュアルを作成することが重要です。
また、過去の事例や想定されるリスクに基づいたシミュレーションを盛り込むことで、予期せぬ事態にも柔軟に対応できる体制を整えられるでしょう。
マニュアルの存在は、従業員の心理的負担を軽減し、社内で統一された対応を実現するための必須ツールです。
誹謗中傷の削除申請
ネガティブな投稿は企業の評判やブランド価値を損なう要因となるため、適切に削除を申請することが重要です。SNS、掲示板、口コミサイトなど、それぞれの運営者に対して削除を依頼する必要があります。
ネガティブ投稿を適切に削除できれば、サジェスト汚染や誤解の拡散を防ぎ、信頼回復につながります。
迅速かつ適切な削除申請は、オンライン上でのブランド価値維持のために欠かせない手段といえるでしょう。
逆SEO対策
逆SEO対策は、企業のオンライン評判を守るための有効な手段です。Googleなどの検索結果でネガティブな記事やサイトの表示順位を下げる施策を指します。
逆SEO対策を実施すれば、検索結果の上位にポジティブな情報や公式情報を表示させ、ネガティブ情報を目立たなくすることが可能です。
企業の評判回復や信頼維持につながり、オンライン上でのブランドイメージを健全に保てます。
サジェスト汚染対策
サジェスト汚染対策は、企業のオンライン評判を守る上で不可欠です。サジェスト汚染とは、検索フォームに入力した際、予測候補にネガティブなワードが表示される現象を指します。
その結果、好奇心を持ったユーザーがクリックし、さらに情報が拡散され、風評被害が拡大します。
したがって、サジェスト汚染を適切に管理しネガティブワードを排除することは、オンライン上での信頼回復に直結します。
早期に対策を講じることで、ブランドイメージの維持と企業の信頼性向上が可能となるため、守りのORMの重要施策として位置付けられます。
ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)の成功と失敗事例
ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)は、適切な対策でブランド価値を高める一方、対応を誤ると評判悪化を招きます。
成功と失敗の事例から学び、戦略の重要性を理解しましょう。
龍角散のど飴のデマへの早期対応による成功事例
龍角散のど飴に関する誤情報は、SNS上で瞬く間に拡散され、ブランドへの不安を生む可能性がありました。しかし、問題発覚直後に公式ニュースリリースを発表し、禁止物質「ヒゲナミン」が含まれていないことを明確に伝えました。
高島屋のケーキ崩壊の対応遅れによる失敗事例
高島屋は、ネット販売したクリスマスケーキの崩壊問題でSNSが炎上しました。問題発覚後の対応が遅れ、原因を特定できなかったことから、顧客の不安は拡大し、ブランドイメージに大きな傷がつきました。
適切な初動があれば、SNSでの炎上を最小限に抑え、企業の信頼を守ることが可能であることを示しています。
高島屋の事例は、ORMにおける初動対応の遅れがいかに致命的かを如実に物語る失敗例といえるでしょう。
マクドナルド公式XアカウントのSNS活用の成功事例
マクドナルドの公式X(旧Twitter)アカウントは、SNSを活用したORMの成功例として注目されています。まず、新商品の告知では、シルエット画像とカウントダウンを組み合わせ、ユーザーの期待感を巧みに演出。
このように、ポジティブで話題性の高い投稿を継続的に行うことで、ブランドの認知度向上だけでなく、SNS上での信頼感や親近感の獲得にもつながるでしょう。
マクドナルドはSNSを攻めのORMとして最大限に活用し、トレンドを席巻し続ける戦略に成功しています。
企業リスクを今すぐ解決!逆SEOとサジェスト対策に特化した実績で、貴社のブランドを守るアクシアカンパニー。過去1200件以上の成功事例と業界トップクラスの成果を誇ります。売上・採用・ブランドを守るための最適解を提供している専門会社です。
ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)が必要な業界
オンライン上での評判が売上や信頼に直結する現代では、業界を問わずORM(オンラインレピュテーションマネジメント)が重要です。
特に、消費者との接点が多い業界では必須といえます。
【飲食業界】口コミの評判で来客数は変わる
飲食業界では、口コミの評判が直接来客数や売上に影響します。特に、食べログやホットペッパーグルメ、Googleマップなど、ユーザーが日常的に利用する検索・予約サイトでの評価は重要です。
さらに、MEO対策で地域名+業種で検索した際に店舗情報が上位表示されるようにすることで、ポジティブな情報が目に入りやすくなり、信頼回復や新規来店促進につながります。
このように、飲食業界では口コミ管理と検索対策を組み合わせたORMが、集客力を維持・向上させる鍵となります。
【医療業界】評判は安心して体を預ける理由に
医療業界では、患者が安心して治療を受けるために、評判が非常に重要です。口コミサイトのCalooや病院のGoogleレビューなどでの評価は、医院やクリニックの信頼感を左右します。
また、公式サイトやSNSで正確な情報を発信し、治療方針や医師の専門性を明示することも信頼獲得に直結します。
このように、医療業界では評判管理を通じて患者の安心感を支え、来院率や診療満足度の向上を図ることが重要です。
【美容・サロン業界】出来栄えの評判が最も重要
美容・サロン業界では、施術の仕上がりや接客サービスが直接的に評判に影響します。特に、ホットペッパービューティーやGoogleマップの口コミは多くの利用者が参照するため、ネガティブな投稿が目立つと予約数の減少や来店客の信頼低下につながります。
また、ネガティブ口コミの増加を未然に防ぐには、サービス品質の向上やスタッフ教育を徹底し、悪評が書かれにくい店舗づくりを進めることが重要です。
美容・サロン業界では評判管理が売上や信頼に直結するため、オンライン上での評価を常に意識することが必要です。
【教育・塾業界】結果を出してこその世界
教育・塾業界では、成績向上や志望校合格といった成果が直接的に評判に影響します。塾ナビやGoogleマップの口コミは、保護者が塾選びで参照するため、ネガティブな評価が目立つと入塾希望者の減少につながる可能性があります。
また、講師の対応や授業内容の改善を通じて、そもそも悪評が生まれにくい体制を構築することも重要です。
教育現場では、成果が目に見える形で評価されるため、オンライン上の評判管理を怠ると、ブランドイメージや集客力に大きな影響が出ます。
このように、塾業界におけるORMは、生徒や保護者の信頼獲得と経営安定に直結する戦略的施策です。
【ECサイトの販売者】口コミやレビューが売上に直結
ECサイトの販売者にとって、口コミやレビューは売上に直結する重要な要素です。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのプラットフォームでは、購入を検討するユーザーがレビュー評価を重視する傾向があります。
また、配送トラブルや商品不具合に迅速に対応することで、口コミの悪化を防ぎ、信頼感を維持できます。
さらに、検索結果での露出を最適化するMEO対策も、ネガティブ情報の影響を軽減する手段として有効です。
EC販売はオンライン上での評判が顧客行動に直結するため、継続的なORM施策が売上向上とブランド信頼の確保に不可欠といえます。
【採用活動中の企業】企業の評判次第では応募者減少に
採用活動中の企業にとって、オンライン上の評判は応募者数に直結する重要な要素です。OpenWorkや転職会議、Indeedなどの転職サイトでは、実際に働いた社員の口コミが閲覧可能であり、ネガティブな情報が目立つと応募者は応募をためらいます。
公式サイトやSNSを通じて企業文化や取り組みを積極的に発信することで、応募者に安心感を与えられます。
採用活動におけるオンライン評判の管理は、人材確保の成否に直結する重要施策といえるでしょう。
ORMを自社でおこなうメリットデメリット
自社でORM(オンラインレピュテーションマネジメント)を行うことには、メリットとデメリットがあります。| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・迅速な対応が可能
・費用を抑えられる ・ブランド方針に沿った管理 | ・専門知識不足による誤対応リスク
・人的リソースの確保が必要 ・24時間監視は困難 |
ORMを外注するメリットデメリット
ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)を外注することには、専門性や効率面で利点があります。| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・専門知識で迅速・的確な対応が可能
・24時間監視や運用が可能 ・社内リソースの節約 | ・コストがかかる
・ブランド方針の反映に工夫が必要 ・情報漏洩や対応スピードの懸念 |
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まとめ:ORMによる攻めと守りで企業をブランディングしよう
この記事では、ORM(オンラインレピュテーションマネジメント)の基本から成功・失敗事例、業界別の必要性、自社運用と外注のメリット・デメリットまで幅広く解説しました。ORMは、ネガティブ情報や口コミの影響を最小化し、ブランドや企業の信頼を守る重要な施策です。
業界や目的に応じて自社運用と外注を使い分け、適切な対応を行うことで、オンライン上での評判を効果的に管理し、信頼回復やビジネス成長につなげることが可能であると理解できます。












