デジタルタトゥーの消し方はない！消えない理由とその後の人生を楽にする対策

SNSが普及した現代、社会問題となっているのが「デジタルタトゥー」です。

デジタルタトゥーが発生すると、完全に削除することは不可能に近く、一生残ってしまいます。

なぜなら、インターネット上の情報は、コピーやダウンロードなどで、いくらでも複製できるためです。

一度デジタルタトゥーの被害に遭うと、その後の人生にさまざまな悪影響を及ぼすため、注意が必要です。

しかし、デジタルタトゥーによる悪影響は、「削除する」「目立たなくさせる」「発生させない」の3つの対策を行うことで、和らげることができます。

この記事では、デジタルタトゥーがなぜ消えないのか、その後に人生にどんな影響を与えるのか、について詳しく解説するとともに、有効なデジタルタトゥー対策を紹介します。

インターネットやSNSをより安全に使いたい、という方は、ぜひ参考にしてください。

ネット・SNS炎上による個人への悪影響

デジタルタトゥーとは、インターネットに掲載された書き込みや画像が、半永久的に残り続けることを指す言葉です。

「デジタル」と、「タトゥー（入れ墨）」を組み合わせて作られた造語で、完全に消すことが難しい入れ墨に例えて表現されています。

インターネットに公開された情報は、拡散されるといつまでも残り続けるだけでなく、さまざまな悪影響をおよぼします。

デジタルタトゥーの主な種類は、以下の5つです。
現在、デジタルタトゥーは、インターネット上の新たなリスクとして問題視されており、適切な対応が必要不可欠です。

デジタルタトゥーが消えない理由

デジタルタトゥーは、書き込みや画像を削除すれば問題解決、というわけではありません。その理由を、いくつかピックアップして紹介します。

第三者に無断保存される可能性がある

たとえ自分が削除しても、拡散された情報を、誰かが無断で保存する可能性があります。

拡散された情報を無断で保存しないように呼びかけても、必ず守られるとは限りません。

また、保存した人をすべて把握するのは、不可能に近いです。

誰かが保存している可能性がある限り、発言や画像を完全に消し去ることはできません。

また、誰かが保存した画像をインターネットで公開することで、再び拡散・炎上するリスクも出てきます。

消してもスクリーンショットで切り抜かれる

動画の場合、動画そのものを保存されるだけでなく、一部をスクリーンショットで切り抜いて保存される可能性もあります。

スクリーンショットで保存されたものは、本来の言動とは異なる意図で使用・拡散される可能性も少なくありません。

切り抜き画像が拡散されると、多くの人の誤解を招き、思わぬところで誹謗中傷を受ける可能性もあります。

噂が広まりそれもデジタルタトゥーとなる

発言や画像が削除されたり、拡散が治まったりしても、噂が広まってしまうリスクもあります。

噂が伝言ゲームのように広まると、話の内容に尾ひれ背びれがつき、新たな誤解を生む可能性もあります。

噂がどんどん広まると、どれだけ否定しても話題に上ってしまい、収拾がつかなくなる恐れもあるでしょう。

検索エンジンのキャッシュに残る

拡散がおさまったように見えても、インターネット上の検索エンジンには情報がキャッシュとして残ってしまうことがあります。

その場合、誰かが個人名で検索した際に、過去の出来事に関連するネガティブなキーワードが、検索エンジンの予測キーワードとして表示される可能性があります。

こうしたキーワードを見た人が興味本位で検索を行うと、さらにネガティブな情報が拡散されやすくなり、悪循環を生み出してしまうのです。

デジタルタトゥーがその後の人生を苦しめる危険性

デジタルタトゥーは、時としてその後の人生を大きく狂わせる危険性をはらんでいます。

いったいどのような悪影響が考えられるのか、いくつかピックアップして解説します。

一生消えないという精神的苦痛

デジタルタトゥーは、大きな精神的苦痛をもたらします。

自分の個人情報やプライベートが不特定多数に拡散されてしまった場合、身の危険を感じたり、自分の不用意な言動に対して自己嫌悪に陥ったりするなどしてしまいます。

また、「誰かが自分の噂をしているのではないか」「今も誹謗中傷されているのではないか」などと思ってしまうと、誰も信じられなくなってしまうでしょう。

このような状態が長期間続くと、精神的に疲弊してしまいます。

実際、デジタルタトゥーやそれに伴う誹謗中傷が原因で、自ら命を絶つという、悲しい事例も発生しています。

就職・転職で不利になる

現在、多くの企業では、採用候補者の名前をインターネットで検索し、人柄や能力に関する情報を収集しています。

そのため、デジタルタトゥーが発生していることが発覚した場合、業務や社内の人間関係に悪影響を及ぼす可能性がある、と判断される可能性があります。

犯罪歴がある、ネットで炎上している、など、会社のリスクになりうる人材を積極的に採用したい、と考える企業はほとんどないでしょう。

このように、デジタルタトゥーは、個人の就職活動や転職活動に不利に働いてしまうことがあるのです。

家族・友人との関係がこじれる

家族や友人にデジタルタトゥーを見られることで、関係が悪化する可能性があります。

いくらこれまで良好な関係を築いていたとしても、内容によっては相手が失望し、自分から離れていってしまうこともあるでしょう。

また、デジタルタトゥーが発生することで、本人だけでなく、その家族も偏見の目で見られることがあります。

家族に多大な迷惑をかけると、最悪の場合、縁を切られるかもしれません。

結婚しにくくなる

デジタルタトゥーが発覚することで、相手に「不誠実な人」「悪い人」という印象を持たれてしまい、交際や結婚を断られる可能性があります。

また、たとえ本人同士が結婚に同意しても、周囲の人が猛反対して結婚が破談になるケースも少なくありません。

取引先から信用を失う

デジタルタトゥーによって、取引先や顧客に悪い印象を抱かれ、信用が低下するリスクも発生します。

たとえ事実無根であったとしても、「インターネットに書き込みされるくらいなのだから、なにか不誠実なことをしたに違いない」と思われるかもしれません。

特に、経営者や会社役員など、ある程度の地位がある人のデジタルタトゥーが発生すると、取引停止になってしまう恐れもあるでしょう。

デジタルタトゥーの3つの対策

デジタルタトゥーに対する対策は、以下の3つです。
まずは、原因となっている書き込みや動画などを削除すること。削除せずに放置しておくと、新たな火種になる可能性があります。

次に、原因となった書き込みや動画などを目立たなくさせること。見る人を減らせば徐々に人々の記憶から消え、悪影響も少なくなっていきます。

そして、最も重要なのが、デジタルタトゥーの要因となるような言動は行わないこと、です。

それぞれの具体的な対策方法については、以降の章で詳しく解説します。

デジタルタトゥー対策➀【削除する】

デジタルタトゥーが発生したときに、まず実施すべき対策は、原因そのものを削除することです。

削除しても、第三者が保存している可能性がある限り、デジタルタトゥーは消えませんが、目立つものを削除することで、見る人は減るため、悪影響をある程度抑えられます。

自分の投稿を削除する

まずは、原因となっている自分の投稿を速やかに削除しましょう。
Xでリツイートされていた場合でも、削除することで元の投稿が見られなくなるので、話題に上ったり、さらにリツイートされたりする可能性が少なくなるでしょう。

サイト運営者に削除依頼をする

悪質な情報が拡散しているサイト運営者に、削除依頼を出しましょう。一般的な手順は以下のとおりです。
ただし、運営者が判断するため、必ず削除されるとは限りません。

検索エンジンに削除申請をする

サイト運営者だけでなく、検索エンジンに削除申請を依頼しましょう。

検索エンジンに削除申請をすれば、該当するサイトが検索結果に表示されなくなります。
削除するかどうかは、検索エンジンが判断します。また、削除されるスピードも、検索エンジンによって異なります。

弁護士を通じて法的に削除する

サイト運営者が削除依頼に応じない場合は、法的措置を取ります。
それでも依頼に応じない場合は、裁判で、記事削除を求める仮処分の申立てを行ったり、発信者情報を開示させる仮処分の申立てを行うことも可能です。

デジタルタトゥー対策➁【目立たなくさせる】

デジタルタトゥーとなっているサイトを、目立たなくさせることも重要です。

おもな方法は、逆SEO対策、サジェスト汚染対策、ポジティブ情報の発信、の3つです。

それぞれについて、解説します。

逆SEO対策をする

逆SEO対策とは、誹謗中傷や悪い噂が書かれたサイトが、検索結果に上位表示されないようにする施策のことです。

逆SEO対策を行うには、特定のキーワードで検索したときに、サイトを上位表示させる施策、「SEO」の知識が必要です。

具体的には、ポジティブな情報が書かれたサイトを上位表示させることで、悪評が書かれたサイトを押し下げます。

逆SEO対策を実施して、デジタルタトゥーとなっているサイトの検索結果順位を押し下げることで、見る人が少なくなるため、悪影響を抑える効果が期待できます。

サジェスト汚染対策をする

サジェスト汚染とは、GoogleやYahoo！の検索窓に特定のキーワードを入力した際、ネガティブなキーワードが出現している状態です。

サジェスト汚染対策には、具体的に以下の3つの方法があります。
サジェスト汚染はデジタルタトゥーとイコールではありませんが、デジタルタトゥーの二次被害として発生することがあります。

つまり、デジタルタトゥーで悪い噂やネガティブな印象が拡散されると、それに関連するネガティブなキーワードが、検索候補に表示されるサジェスト汚染につながるのです。

ポジティブな情報発信で上書きする

ポジティブな情報を積極的に発信することで、自分に対する世間のイメージをよいものに上書きすることも重要です。

具体的には、ボランティア活動に参加している様子を発信したり、所属してる企業やサービスをアピールしたりする、などがあげられます。

好きなことについて語ったり、学びを共有したりするのもよいでしょう。

大切なのは、見る人に共感してもらえる情報を発信することです。

これらは、個人ですぐにでもできる対策ですので、できるだけすぐに実施しましょう。

デジタルタトゥー対策➂【発生させない】

デジタルタトゥーをそもそも発生させない、という意識を持つことも重要です。

ここでは、デジタルタトゥーが起こらないためにするべきことを、紹介します。

個人情報を不用意に公開しない

インターネット上に、氏名や学校名、勤め先といった個人情報を不用意に公開しないようにしましょう。

また、それらを推定できるような情報を発信することも避けるべきです。

インターネットは顔が見えないので、ついつい「これくらいなら大丈夫だろう」と、個人的な内容を書き込んでしまいがちですが、それは厳禁です。

画像や動画の公開は特に注意する

画像や動画の公開は慎重に行いましょう。画像や動画は、文章よりも圧倒的に情報量が多いため、あっという間に個人や住所が特定されてしまいます。

たとえば、家の外で撮影した写真を公開したために、自宅住所が推定されてしまった、というケースも少なくありません。

また、公開した画像が悪用され、それが拡散されることもあります。

子どもや家族の情報をシェアしすぎない

子どもや家族の情報を公開することで、自分以外の人にデジタルタトゥーを発生させるリスクも生じます。

自分が「これくらいなら大丈夫」と安易に考えていても、インターネット上に公開される以上、悪用されるリスクは潜んでいます。

特に注意したいのが、子どもの画像や動画の公開です。たとえば、小さい子どもの失敗や裸の姿を「可愛いから」と公開したとします。

公開当時はみんなから好意的に見られたとしても、子どもが成長したときに、その投稿を見たら、ショックを受けるかもしれません。

デジタルタトゥーの有名な事例

ここからは、デジタルタトゥーとなる有名な事例を、いくつかピックアップして紹介します。

アンチによる誹謗中傷やデマ

アンチが誹謗中傷やデマを発信し、それが拡散されたことでデジタルタトゥーとして残ってしまった事例があります。

たとえ事実無根である、と発信しても、不特定多数の人に見られることで、悪いイメージが植えつけられてしまいます。

なかには、「そんな噂が出るくらいだから、普段から素行が悪いのだろう」と思う人も出てきてしまいます。

アンチによる誹謗中傷やデマが原因となったデジタルタトゥーは、芸能人や著名人が被害に遭いやすく、裁判沙汰になったケースも少なくありません。

親子Youtuberによる子どものプライバシー侵害

ここ数年、特に増えているのが「親子YouTuber」による子どものプライバシー侵害です。

再生回数を稼ぐために、善悪の判断がつかない子どもを顔出しで出演させる親も少なくありません。

なかには、わざと子どもを怖がらせたり、意地悪をして泣かせたり、危険な状況に置いたりする動画を投稿するケースも見られます。

子どもが成長してから、自分の無防備な姿が世界中に公開されていたことを知れば、深いショックを受けるでしょう。

このように、親が自ら子どものデジタルタトゥーを作り出してしまう事例が、近年では増加しているのです。

自分の過去の不適切な言動や炎上

過去の不適切な発言や炎上した事例が、数年たってから蒸し返されて、再炎上することもあります。

たとえば何年も前に公開したブログ記事に不適切な表現があり、炎上。

すぐさま謝罪し、該当記事を削除したにもかかわらず、数年後に「あの人は過去にこんな発言をしていた」と、当時のブログのスクリーンショットとともに公開され、再び非難される、というケースもあります。

元恋人によるリベンジポルノ

関係が破綻した元恋人や元配偶者が、復讐のために、相手の性的な動画や画像をSNSやアダルトサイトに公開するリベンジポルノも、デジタルタトゥーの原因になります。

なかには、性的な動画や画像を見た人から、「こんな動画を取らせる方がおかしい」「自業自得だ」などと誹謗中傷されたことで、心の傷がさらに深くなってしまった、という人もいます。

若者のバイトテロ・バカッター

デジタルタトゥーの代表格として挙げられるのが、若者によるバイトテロや、Xにモラルに欠ける動画を公開する「バカッター」です。

おもなバイトテロ・バカッターの事例は以下のとおりです。
一部のネット初心者の若者は、ネットリテラシーと想像力に欠けているうえ、承認欲求に駆られやすいため、「その場のノリ」で不適切な行動を公開してしまいがちです。

しかし、このような行為は、デジタルタトゥーとしていつまでも話題にされるだけでなく、損害賠償請求される、刑事罰を問われるなどして、人生を棒に振ってしまう可能性もあります。

過去の事件の逮捕歴・犯罪歴

逮捕・起訴され実名報道された場合、のちに無罪・不起訴になったとしてもニュースが公開されている限り、実名で検索すれば、逮捕された事実が表示されます。

また、まとめサイトやブログなどで、事件や事故に関する情報が要約されてしまいます。

まとめサイトでは、憶測で物事を発言したり、事実を肉付けして話す人も多いため、デマや悪評が瞬く間に拡散され、二次被害に苦しんでいる、という人も少なくありません。

個人情報の流出・漏洩

名前や住所、勤務先、学校などの個人情報が流出・漏洩してデジタルタトゥーになるケースもあります。

事流出した個人情報が犯罪に使われるケースも少なくありません。

近年、SNSで不用意に公開した個人情報が悪用され、さまざまな被害を受ける事件が増加傾向にあります。

デジタルタトゥーに関するよくある質問（Q&A）

ここからは、デジタルタトゥーに関するよくある質問と、その回答を紹介します。

まとめ：デジタルタトゥーは対策すればその後の人生が楽になる

デジタルタトゥーが発生すると、完全に消えることはありません。

しかし、対策をすることで、今後の人生の悪影響を抑えられます。

有効な対策は、「デジタルタトゥーの原因を削除する」「デジタルタトゥーとなっているサイトを目立たなくさせる」「そもそもデジタルタトゥーが発生しないように注意する」の3つです。

デジタルタトゥーを目立たなくする対策として有効なのが、逆SEO対策およびサジェスト汚染対策です。

これらの対策は自分でもできますが、専門業者に依頼することで、成功率が高くなります。

確実に対策を実施したい、と考えている方は、専門業者にお願いすることを検討しましょう。